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『ヒック・・・怖いよ・・・誰か助けて・・・』
暗い場所で、膝を抱え泣いている男の子。
『コタロウ・・・?何で泣いてんだ?』
泣いている男の子へ手を伸ばすが届かない。今もずっと泣いている男の子。
「お兄ちゃん・・・。朝だよ、起きて」
今眠っている者の体をゆすって起こす男の子。
「んっ・・・」
寝ていたものが目を覚ます。自分の顔を心配するかのような表情を向ける相手の顔を見て、いつもどうりの笑顔を向ける。
「おはよ、アサギ」
「お兄ちゃん、大丈夫。魘されてたけど・・・」
「ああ・・・」
「・・・・・・」
「アサギ。本当、大丈夫。心配させてごめんな」
「うっん」
「ご飯食いに行こうぜ。じいーちゃん腹空かしてまってるぜ」
魘されていた兄 コタロウの心配する弟 アサギ。コタロウは、アサギに心配掛けないように学生服に着替え、じいちゃんが待ってい食卓へと向かい、アサギ、じいちゃん、コタロウの3人で朝食を食べる。ご飯中も今朝見た夢のことを考えていた。
「お兄ちゃん?」
「んっ・・・大丈夫だってなっ」
アサギに、変な心配させないようにニッコリ笑うコタロウ。アサギは、それ以上何も言えなかった。そんな時、いつもの3人組が、コタロウを迎えに来た。
「お~い、コタロウ。迎えに来たぞ~」
「コタロウ、早くしないと遅行くするすっ」
「クスクス・・・」
いつもの3人組とは、初めがカズヤ、2番目がナオト、後ろで笑ってるのがユウヘイ。3人は、コタロウが大好き。でも、その中で一番コタロウの事を愛しているのは、カズヤ。思いをつげ、思いが通じ合い、今2人は付き合っている。もちろん、2人からは許しを貰っている。
「おはよう、カズヤ、ユウちゃん、ナオト」
「ああ、おはよう、コタロウ」
「おはようすっ、コタロウ」
「おはよう、コタロウ」
「んじゃ、学校行こうぜ」
「うん」
「「「「いってきます」」」」
「あっ、カズヤさん」
「どうした、アサギ?」
後ろからコタロウ達の後を付いていくカズヤを呼び止める、アサギ。今朝、夢で魘されていた事を恋人であり、もっとも信頼できるカズヤに素直に話をする。
「・・・・・・。そっか、分かった。そんな不安そうな顔をすんなってアサギ。お前が、そんな顔をしてっとコタロウが苦しむぞ。コタロウの事は俺達に任せて、お前は勉学に励みな」
「うん、コタロウお兄ちゃんの事、よろしくお願いします」
カズヤに頭を下げる、アサギ。
“キーン コーン カーン コーン”
授業が終わる予鈴がなる。そして、お昼の休憩時間が始まる。4人は、いつものように屋上へ行き、お弁当を食す。他愛の無い会話だが、コタロウにとっては、この4人で過ごす時間が幸せなのだ。
「なっ、コタロウ」
「んっ、何カズヤ?」
「ちょっと、2人なれるか」
「・・・・・・」
「悪りぃー、ちょっとコタロウかりるぞ」
「あぁ」
「・・・・・・」
カズヤは、コタロウの手を取り、2人に聞こえない距離まで移動した。
「カズヤ、どうしたんだよいったい」
「夢で魘されてたんだってな。アサギが、心配してたぞ」
「・・・・・・」
「でっ、どんな夢だったんだ。気になるんだろ」
「・・・よく思いだせないんだけど。多分、まだ俺が保育園頃くらいで、暗い場所にいて助けを求めてた」
「保育園児、暗い場所?」
「うん」
「暗い場所ねぇ・・・」
カズヤは、コタロウから夢の事を聞き出し少し考えていた。
「コタロウ、カズヤ話し終わったすっか?」
「カズヤ、コタロウと付き合うこと許したけど独り占めはよくない」
2人きりにして話しをしている途中、痺れを切らしたユウヘイ、ナオトがやってきた。
「まだ、話し終わってないんだが」
「そんなの知ったこちゃないすっ」
「それより、コタロウ、さっきナオトと話してて久々に裏の山に遊びに行かないかって話してところなんだけど、行かない?」
「裏山・・・?」
「カズヤ・・・」
「なんでもないよ」
ユウヘイが提案した裏山の話しに又もや考え込んでしまったカズヤ。その事に気になるコタロウ。何かきづいたユウヘイ。実は、カズヤ達のことが気になり会話を盗み聞きしていた2人。その会話を聞いて、何か思い出したユウヘイだった為、裏山へ行く提案をだした。
「久々に行ってみるか、コタロウ」
「そうすっよ」
「じゃ、放課後」
「ああ」
“放課後”
無事、学校が終わり4人はそのまま、コタロウの家の裏山へと来ていた。なれた足取りで先へと進んでいく4人。コタロウはもちろん、カズヤは昔
よくコタロウと裏山で遊んでいたため知っていた。
「懐かしいな」
「うん。よくカズヤと遊びに来てたけ」
「あぁ」
「カズヤ、かくれんぼしよ」
「かくれんぼ・・・?」
「・・・・・・」
「なんか面白すっね」
「たまには、別の場所でかくれんぼするのも面白いかもな」
というわけで、裏山にてかくれんぼが始まった。もちろん鬼は、じゃんけんで負けたカズヤだった。カズヤは、近くにあった木に目隠しし、コタロウ達には、背を向け数を数える。その間、隠れる場所を探す3人。コタロウは、見付かりにくい場所を探した。そんな時だった。昨夜、雨が降っており、土が滑りやすくなっており、場所を夢中で探しており足元を見ることがなく、足を滑らせ下へ落ちてしまった。低いといっても到底一人では、登れる距離ではなかった。それだけでなく、足を滑らせた時に、足首を捻挫したようだった。カズヤ達に助けを呼ぼうにも声が届くか分からなかった。そのころ、カズヤは、ユウヘイ、ナオトを短時間で見つけ後はコタロウのみとなった。近くを探すが、なかなか見付からない。探してそんなに時間は経ってないが、気持ちが焦る。30分過ぎてもコタロウが見つからない。一旦、ナオトたちがいる場所へ戻りコタロウがいるか確認しにもどる。
「ナオト、コタロウもどってきてない」
「いえ、戻ってきてないすっ」
「コタロウがどうしたんです?」
「いや、見つからないんだ。近くを探したけど見当たらない」
「コタロウの身に何かあったのか」
「縁起でもない事いうもんじゃないすっ」
「そうだな。俺、もう一度探してくるわ。もしかしたら、木の上でもかくれてるのかもしれねぇしな」
「俺達も探すっす」
「ああ、もし1時間後見つからなかったら、も一度ここで会おう」
「「わかった」」
そして3人は、コタロウを探しに行った。その頃、コタロウは、痛めた足を引きずりながら登れそうな所を探していた。ふと空を見上げるとさっきまで天気のよかった空が、薄暗い雲に太陽が隠され今でも雨が降りそうな不囲気だった。近くに雨宿りが出来そうな所を探すと目の前には、洞窟があった。その洞窟の中へと入るコタロウ。膝を抱えて座り外の景色を見る。すると丁度、小粒の雨が降り出した。ずっと雨を見つめるコタロウ。いつの間にか眠りについていた。そんな中コタロウを雨の中探す、カズヤ・ナオト・コウヘイだった。そんな事を知らないコタロウは、雨が止むまで洞窟の中で、たった1人で誰か来てくれるのを待っており、いつの間にか眠りに入っていた。
『ヒック・・・怖いよ・・・誰か助けて・・・』
今朝見た夢と同じ夢を見る、コタロウ。
『コタロウ・・・コタロウ』
『○○○・・・・』
「おい、コタロウ・・・起きろ、コタロウ」
「んっ・・・カ・・・カズヤ」
「はぁっ・・・大丈夫か、コタロウ。何やってんだ、心配したんだからな」
「ごめん・・・」
夢の中、カズヤが洞窟の中にいるコタロウを探し当てた。洞窟の中で眠っているコタロウの姿を見て不安が安心に変わったカズヤ。小走りにコタロウの傍へと駆け寄り、体をゆする。体を揺すられ目を覚ますコタロウ。そこには、雨にずぶ濡れのカズヤがいた。そして、夢の中の男の子と重なった。
「大丈夫か?」
「あっ、うん。大丈夫」
「立てるか?」
手を差し伸べるカズヤ。その手を取り立ち上がろうとするコタロウ。
「つっ・・・」
「足、怪我してんのか?」
「あっ、うん。落ちたとき足滑らせて、捻挫した」
「したって・・・。ほらっ、」
「えっ・・・」
コタロウが、足を捻挫しているためか、カズヤはその場にコタロウのほうに背を向けしゃがみこんだ。
「足、痛いんだろ。背中乗れ」
「いいよ、カズヤ。歩けるから」
「いいから乗れ」
「・・・・・・」
それ以上何も言わず、カズヤの背中に乗っかるコタロウ。
「落ちないようにしかっりつかまってろよ」
カズヤは、コタロウをおぶったままナオト達がいる場所へ行き、そのままコタロウの家に帰った。家に着くなり、ナオト、ユウヘイは後の事をカズヤに任せ帰っていた。家には、アサギもおじいちゃんも出かけており、誰もいなかった。2人は、まずお風呂へ入り、その後カズヤは、コタロウの足の怪我の手当てをコタロウの部屋で行った。
「大丈夫か、痛くねぇか」
「うん、大丈夫」
手馴れた手つきで、手当てをしていくカズヤ。その姿をじっと見詰めるコタロウ。
「どうかしたのか?」
「(//////)」
「顔、赤い。コタロウ」
言葉と行動が早いか、カズヤは、コタロウの唇に自分の唇を軽く重ねた。
「カ・・・カズヤ」
「悪りぃ。我慢できそうにない」
「・・・うん、俺も」
カズヤは、先程とは違うキスをし、コタロウを狂わせ、そのまま2人は
ベッドの中で溺れた。
「カズヤ」
「んっ」
「サンキュッ、助けてくれて」
「助ける・・・?」
「小さい頃、俺、今日みたいに行方不明になった時、一番に見つけてくれたのカズヤだった」
「思い出したんだな」
「うん。まさか、もう一度カズヤに見つけられると思ってなかったけど」
「俺は、どこにコタロウがいようとも必ず見付けてやる」
「カズヤ」
今朝、コタロウが見た夢は、幼い頃コタロウが行方不明になり、暗い場所で1人でいるところをカズヤが見つけた夢だった。なぜ、行方不明になったのか、本人は覚えていないが、カズヤが誰よりも先に見つけたことは夢を見るくらい大事にな事だった。カズヤは、大事にコタロウを自分のほうへ抱き寄せそのまま優しく抱きしめたまま2人は、眠りに付いた。
(おわり)